2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2021/09/07 月詠

なくなってうるさかったと思い出す蝉の話でしたでしょうか 工場の外階段を降りてくる夏のひかりに照る作業服 亡くなった知らせは回覧板で来てだれのことだかわからない祖母 見ていたら魚が飛んだ川べりに夜はひかりの影で見つける 終わりまで結構ながいそれ…

2021/08/12 月詠

確率 台風のわずかにそれた翌朝に砂がざらつくはだしの床に おばあさんと猫が寝ていて縁側が暑くなったら奥においでよ ぶつかってくるひとがいた駅だったいまは本屋がなくなっていた よく見たらだれもマスクをしていない店にしばらく迷ってやめる 裏口を開け…

2021/07/09 月詠

ロータリーの線の通りに停車するタクシーすぐに散らばっていく 神殿を模したつくりのカフェにいて焼失すれば壁の白さは 斜めがけカバンは不思議そちらからかけて重たくなる消費税 木の下を車が通る ピロティの人が見ていて窓から見える 2021年10月未来

2021/06/07 月詠

クレーンがゆっくりあがる しばらくは放っておいた思い込みたち 蓮の葉のわずかに揺れる根元には枯れかけている蓮の実がある 中華料理をたくさん頼む会食にいつでも餃子をよろこんでいた 和歌山のともだちの言うなにもない家がわかってくる夜の道 2021年未来…