2021/09/07 月詠

なくなってうるさかったと思い出す蝉の話でしたでしょうか
工場の外階段を降りてくる夏のひかりに照る作業服
亡くなった知らせは回覧板で来てだれのことだかわからない祖母
見ていたら魚が飛んだ川べりに夜はひかりの影で見つける
終わりまで結構ながいそれまでに街灯が減るこれからも減る
 
2021年未来12月号