2017/11/13 月詠

山間の暮れる路傍に待ちながらバス・ストップの箱は明るく
小窓から池のほとりが見えていてかえでの影がうつろう水面
ひとまずは林と思う構内の芝生とクスノキのあるところ
ともだちのことならわかる 論文の論の運びにうれしくなった
秋晴れのむやみな風を浴びてきたサンドイッチで昼休みだね
銀杏たつ中央分離帯のなか黄の葉は積もる中洲のように
卒論を見せてもらってもういちどメールを返す 追伸を書く
きみが橋から眼鏡を投げた夜のこと言ったはしから笑いころげた
川べりの下の水面に白鷺が羽をたたんで降り立つ姿勢

 

岐阜、古今伝授の里に行ったときのことなど。
未来2018年2月号